還暦ライダーによるNorton Command 961 Cafe Racer故障と修理記録

こんにちは。naoです。

今回は nao_garage の看板娘、Norton Commando 961 Cafe Racer、愛称「ノータン」の体験整備記録をお届けします。なお、この記事はプロ整備士によるものではなく、あくまでアマチュア整備としての実体験レビューです。その点をご理解ください。

まずは、ノータンのパワーユニット概要(カタログ値)を紹介します。

  • エンジン形式:新型Norton 961cc 並列2気筒
    油圧プッシュロッド式バルブアクチュエーター、ドライサンプ、3ベアリングクランク、バランサーシャフト
  • 排気量:961cc
  • 冷却方式:空冷/油冷
  • バルブ作動方式:プッシュロッド油圧リフター式、1シリンダー2バルブ
  • 最大出力:80PS @ 7700RPM
  • 最大トルク:84Nm @ 6000RPM
  • クランク構成:270°クランク

このようにノータンは270°パラレルツインを採用し、
さらにカウンターバランサー(逆回転する重り)を組み込むことで振動を抑えた設計……のはずなのですが、実際にはかなりの振動があります。

過去の360°クランクと比べれば少ないと思いますが、残念ながらガレ長は360°クランク車に乗った経験がないので正確な比較はできません。

そんなノータンですが、やはり振動が原因と思われる金属破断などの故障が、過去数件ほど発生しました。
今回は今までの故障内容と修理方法を記録としてまとめます。

なお、ボルトの緩みは走行のたびに発生しており、毎回緩みチェックは必須です。
もちろん、ねじロック剤も多用しています。

目次

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故障事例紹介


故障記録として下記表にまとめました。現在、ノートン輸入代理店からの部品供給はストップしていますので、純正の部品入手は困難な状況です。そのため、純正部品への交換修理は不可能なため汎用品や、部品そのものを修理する必要がでています。

ただありがたい事に、部品交換の際は Norton Owners Club が公開している 参考:Norton Owners Club 代替パーツリスト がありますので、こちらを参考に一部代替品への交換は可能です。

故障日症状(故障内容)参考画像処置備考
2018
/8
(納車日)
オイル漏れ純正ガスケット交換メーカー保証
(2年)
ディーラー修理
2018/8ヘッドライトカバー
固定部破断
純正ヘッドライトカバー交換同上
2019/9チェーンカバー
取付部
金属破断
チェーンカバー破断純正チェーンカバー交換。
ベース部分に防振ゴムを装着
メーカー保証
(2年)
部品はnao_garageにて交換
2020/2ヨーククランプ破断ヨーク破断純正ヨーク交換メーカー保証
(2年)
ディーラー修理
2023
/11
アイドル不調・始動
困難他
プラグ・コード交換他
下記項目参照
nao_garageにて整備
2025/2リアフェンダー
樹脂破断
(帰宅後、
ナンバープレート
含めリアフェンダ
の一部が脱落した
状態で配線のみで
ぶら下がっていま
した)
破断樹脂部
樹脂部破断
ステーで補強後写真
汎用ステーで補強
汎用ステーで補強
(写真参照)
nao_garageにて整備
2024
/10
アイドル不調他ヘッド温度センサー
断線
下記項目参照
nao_garageにて整備
2025/3ヘッドライト
ハイ・ロービーム
同時点灯
BOSCH製リレー
BOSCH製リレー
HONDA製リレー
HONDA製リレー
(互換あり)
接点容量により
コイル抵抗に差
がある事が判明
リレー不良と判断し
交換するも回復せず。
ヘッドライトのLE
D化が原因と判明。
元のハロゲン球に
交換し復旧。
ハロゲン球仕様の
ヘッドライトに
LED交換はお薦
めしません。
(メーカーにもよる
と思われますが今後、
原因を検証したいと
思います。)
nao_garageにて整備
2025/1エキパイ取付部破断破断箇所溶接後画像
溶接補修後
溶接修理
下記項目参照
nao_garageにて整備
2025/1触媒右側部焼失。
上記修理中に片側
触媒焼失を発見。
マフラー後部に
炭化した触媒が詰
まっている事を確認。
汎用触媒を装着nao_garageにて整備

※表内の画像をクリックすると拡大画像が見れます。

アイドル不調・始動困難他その1

エンジン始動確認時に始動はしたものの、アイドル不調となりエンジンストップその後、始動不可となりました。先ずは電気系統をチェックしました。

①プラグをチェックしたところ片側のプラグがすすで真黒な状態で明らかに燃焼不良の状態。コードをチェックしたところ、片側のプラグ側端子部に錆が発生し接触不良の状態。
 ・プラグコードをNGK汎用品へ交換
 ・NGKイリジュウムプラグへ交換
 ・イグニッションコイルを予防交換
 ・カムセンサーを予防交換

アイドル不調・始動困難他その2(再発)

前回同様にアイドル不調、始動困難となったためプラグのクリーニング等を実施。エンジン始動したため試乗したものの、ノッキングの発生や気持ちよく吹き上がらず信号待ちでエンストや回転上昇の繰り返し。燃費も極端に悪化。ハイオク仕様ですが、レギュラーガソリンを入れた感覚でした。ディーラー点検後の不調だったためガソリン誤給油(レギュラー給油)を疑い、使い切った後ハイオクを満タンにするも、改善せず。(ディーラーさん疑ってすみません)最終的に始動不可状態となったため、再度一からチェックする事にしました。

ガソリン誤給油がクリアになり、その他に気になったのは冬季の試乗であったため、思い当たる症状としてはオーバークールでした。

そのため、温度のセンサー類をチェックしたところ、ヘッド温度センサーの存在確認ができました。早速、配線周りの絶縁不良やショートを確認する事に。結果、コネクタ部の破損によりショート状態である事が判明。温度センサーは高温になると、抵抗がさがりますがショート状態のため、オーバーヒート状態とECUが判断し燃調制御したのでしょうか?(素人判断です)

左の写真は、純正品の配線ショートの確認写真です。右の写真は、左袋がBOSCH製型番の記録写真で右袋は中国製の型番と温度センサー実物です。

実は、代替リストにありますBOSCH製をBOSCH代理店(お世話になっている平和商会さん)へ問い合わせしたところ、国内在庫が無いとの事でしたので海外取り寄せをしていただく事に。ただ納期が2,3カ月とのことでしたので納期までの他の代替品を探す事に。結果、BOSCH製の適合車種から車種を突き止めBMWなどの輸入車の水温センサーで使用されている事が判明。AMAZONで検索し購入してみる事にしました。納期は2週間程度(中国からの海外便)でした。また値段はBOSCHの1/5以下で購入できました。

ただ形状は合致しているものの温度特性が不明でしたので、特性試験を実施する事に。(特性データはこちらを参照)センサーを沸騰水につけ温度変化と抵抗値の推移を確認したところ合致しましたので、BOSCH製の納期まで使用してみる事にしました。(実は代替品をもう一点購入しましたが、外部形状は同じでも端子数の誤りで使用不可でした。〇2端子×3端子)

結果、エンジンは絶好調に。部品の信頼性を考慮し、その後BOSCHへ交換しました。

参考に、ヘッド温度センサー装着時は、挿入穴に熱伝導グリスを塗布してセンサーへの熱伝導性を向上させました。

エキパイ(触媒)取付部破断修

最後に今回の溶接修理をレポートします。

エンジン不調修理中にエキパイの取付け部破断(固定穴回りの欠損)を発見。これに伴い、走行中の脱落の恐れを懸念し修理する事に。最初は、鉄工所へエキパイを持ち込み溶接を依頼しようと考えましたが、個人的な依頼は受けてもらえずDIYすることに。

開いた部位に溶接はできないため、ステンワッシャーをあてがい、ワッシャーを補強材として溶接する事にしました。ガレ長は溶接の経験は全く無く、もちろん溶接機も持っておらず全くの素人です。

使用した溶接機 MJUM MIG-140A 110/220Vの画像
‎使用した溶接機 MJUM MIG-140A 110/220V

溶接機選びからスタートです。
ネットショッピングのグローバル評価を参考に評価が良かった左記画像の溶接機を調達しました。
今回調達した溶接機は、取説も親切で1回の練習で見事、補強ワッシャーの溶接が完了しました。
ただ見掛けは……です。
お見せできる出来栄えではありませんが、下記画像をご参考に。
なお、今回使用した溶接機(MJUM_‎MIG-140A 110/220V)はAmazonなどで確認できます。

使用してみての注意点ですが、まず最初のセッティングで失敗しました。
ボビンに巻いてある溶接ワイヤーを本体に取付ける際にばらけてしまいました。
一旦ばらけると巻き直しして再利用出来なくなる可能性が大きいです。
巻き直すと途中で引っ掛かってしまい、動きが鈍くなってしまいます。
私は2,3m捨てる羽目になりました。注意が必要です。



まとめ

今回紹介したノータンの故障記録と修理方法は、あくまでもアマチュア整備の一例ですが、同じように悩むライダーの参考になれば幸いです。

やはりパラレルツイン特有の振動は侮れず、金属破断や手作り感の強いNortomは電装系トラブルは避けて通れません。走行後の緩みチェックや、代替パーツの確保は今後も欠かせないと痛感しました。

特にNorton961Command MKⅠは、電装系トラブルやECUの不具合をよく耳にします。ただガレ長のノータンはMKⅡのECUに換装されており幸いにも現在まだ維持できています。

ただ、今後致命的な故障が発生しない事を願うばかりですが、ノータンとの付き合いは楽しく、「直しては乗る」の繰り返しがガレ長のガレージライフを支えてくれています。

同じようにバイクのトラブルに向き合っている方がいれば、ぜひコメントや体験談を共有していただけると嬉しいです。

今後は、今回の修理に使用した溶接機のレビュー等も予定していますので、お楽しみに!


※本記事は私個人の整備・体験記録であり、特定の製品やブランドの販売を目的とするものではありません。


【2026.1.12追記】

「電装系や金属破断などのトラブルを一つずつ潰し、ようやくNortonとの平穏な日々が戻る……はずでした。

しかし、その先に待っていたのは、車検場での『排ガス不合格』という最大の試練。Nortonが、今度は現代の環境規制という壁に挑んだ記録は、こちらからご覧いただけます。

👉 【Norton 961車検編】排ガス不合格?絶望の淵から合格を勝ち取ったCO/HC対策の全記録


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