こんにちは、naoです。
前編では、ハロゲン球車両のヘッドライトをLEDバルブへ取り替えた時に起きたHi/Lo同時点灯トラブルを疑似回路で再現できることを確認しました。ただ完全な再現まで至らず、インジケーター球の有無でその挙動に大きな影響を与えることが分かりました。インジケーター球を入れると電圧のドロップで同時点灯が収まる事象が確認できました。逆にこの事象により対策方法を考察する事ができました。
今回はその後編として、並列回路でのダイオード対策または抵抗による電圧ドロップ対策を中心に実験を進めます。具体的には、「消灯側ラインの浮電圧をどこまで抑えられるか」が胆になると思われます。
もし前編をまだお読みでなければ、こちらからご覧ください👉前編:LEDヘッドライト同時点灯検証(Part1)
それでは、後編を始めます!
目次
再現実験から対策実験へ
今回の実験用疑似回路は、ヘッドライトリレーは経由させているものの配線も短く、他の電気回路は構成されていません。
しかしながら同時点灯が再現できた事を考えますと、今回の検証で分かった事は、この同時点灯はリレーや車体配線の問題ではなく、LEDバルブ内部の回路設計が原因らしい、という点です。LEDバルブ内部でHi/Lo回路が完全に分離されていないため、片側に電圧をかけるともう一方の端子にも電圧が「回り込み」、結果的に弱発光から同時点灯につながることが推測されます。
前編で分かった「インジケーター球」の影響
前編で確認できた事象としてインジケータ球を挿入すると、インジケータ球は点灯するものの、浮き電圧を逃がす役割いわゆるブリーダ抵抗(余分な電圧を逃がすバイパス)の代わりになり、同時点灯が解消されたものと推測されます。
後編で挑むテーマ「浮電圧を抑える」
浮き電圧を抑える対策として以下の二通りが考えられました。今回、その各対策について実験を行い確認してみました。
ダイオードを使った対策実験
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先ずは安価なもので検証してみます。

ショットキーバリアダイオード20A 45V 整流 逆流防止

①直列接続による検証
オートバイの各電気回路や配線による浮き電圧の影響が全く否定できる訳ではありませんのでLEDバルブに対して直列接続(直列=バッテリー~スイッチ~ダイオード-▷|-~LEDバルブ~GNDを「一列」に並べるイメージ)して解消するか確認しました。
Lo側に直列接続
結果NG(浮き電圧は最大9V程度発生)
Lo/Hi側双方に直列接続
結果NG(浮き電圧は最大9V程度発生)
①考察
今回、Lo側やLo/Hi両方にダイオードを直列挿入してみましたが、どちらのケースでも浮き電圧は最大9V程度まで発生し、同時点灯が収まりませんでした。
この結果から分かったのは、車体配線やリレーの影響による「電気の回り込み」ではないという点です。
つまり、同時点灯の原因は LEDバルブ自体の内部回路設計 にあると考えられます。HiとLoの回路が完全に分離されておらず、点灯していない側にも電圧が「回り込む」構造であるため、直列ダイオードで電流を遮断しても浮き電圧を抑えきれなかった事になります。
このことは「直列ダイオードが効かなかった」=「LEDバルブ単体の挙動である」ことを裏付ける結果だといえます。
そこで次のステップとして、浮き電圧を“逃がす経路”を確保する並列接続による対策を試みることにしました。
②並列接続による検証
LED単体の浮き電圧を抑えるため、Hi側LEDバルブ端子に並列接続(並列=バッテリーから二股に分かれてLEDバルブとダイオードに同時につながるイメージ。ダイオードの向きは、LEDバルブと逆方向に並列)して解消するか確認しました。目的としては逆方向に挿入する事により、浮き電圧9Vをダイオードで遮断する事です。
Hi側に並列接続
結果NG(浮き電圧最大9V程度発生)
②考察
並列ダイオードによる対策も試みましたが、結果として効果は見られませんでした。
浮き電圧は直列接続のケースと同様に最大9V近くまで残り、同時点灯の発生を防ぐことはできませんでした。
これは、ダイオードが逆方向では電流を一切流さず「逃がし口」として機能しないため、結果的にHi端子が浮いた状態で電圧が残ってしまったものと考えられます。
つまり「完全に遮断する」だけでは解決にならず、浮き電圧を適度に逃がす経路が必要になります。
次の対策としては、浮き電圧を全て遮断するのではなく、インジケータ球と抵抗を並列で挿入して微小電流を常時流すことで、余分な電圧を下げてやる必要があると考えます。
抵抗を使った電圧ドロップ対策
そこで次に試みたのが、抵抗を利用して浮き電圧を“逃がす”方法です。
抵抗はダイオードのように完全に電流を遮断するのではなく、わずかな電流を常時流すことで、消灯側端子の電位をグランド方向に引き下げる「ブリーダ抵抗」の役割を果たします。
この仕組みにより、LED内部で生じる微小な回り込み電流や浮き電圧を適度に吸収し、同時点灯の発生を抑制できる可能性があります。
そこで今回は、実際に6Ωのパワー抵抗を並列に挿入し、その効果を検証しました。
この抵抗はLEDウインカーのハイフラ防止用に一般的に使われている、【12v用 50W 6Ω】の抵抗です。
こちらもショッピングサイトでハイフラ防止抵抗として購入が可能なものです。

(分岐カプラ4個付属)

Lo点灯時
結果OK(Hiインジケータ不点灯。同時点灯無し。)
浮き電圧は0Vを維持。抵抗発熱無し。
Lo点灯時による同時点灯は見事に解消されました。
ただし、ここで重要な事を発見できました。
Hi点灯時
HiのLEDは問題なく点灯する。
ただし発熱してかなり高温になりました。抵抗に大電流が流れた模様です。
したがってヘッドライトケース等に収容する場合、配線の被覆やヘッドライトケースを溶解する恐れがあります。
さらに、Hi点灯時にLo側の同時点灯事象も同時に確認する事ができました。したがって、抵抗はHi,Lo二つ必要なります。これでは実用上は危険・非現実的な対策と考えます。
以下表にまとめてみました。
| 条件 | 浮き電圧 | 同時点灯 | 抵抗温度 | コメント |
| lo点灯 | 0V | 無し | 発熱なし | 同時点灯解消 |
| Hi点灯 | - | 無し | 高温(触れないレベル) | 実用不可 |
その他考察

もともと、ハロゲンバルブ設計のNorton CommandoにLEDバルブを装着して同時点灯の不具合に至った訳ですが、別問題としてLEDバルブ本体を持った時、重量感があり実測したら97gありました。本来ハロゲンバルブの重量で設計されている、ライトカバーの負担も大きくなると想定され、振動によりライトカバー固定部の緩みや最悪破断の恐れも考えられます。
まとめ
今回の実験で分かった事は、抵抗を使えば確かに浮き電圧を逃がして同時点灯を解消できる、という点です。
しかしHi点灯時には抵抗に大きな電流が流れ、触れないほどの高温になってしまいました。これでは実用的な解決策にはなりません。
ただし、問題無く使用されているユーザーもみえると思います。したがって、オートバイ機種に依存する可能性が高いと考えられます。たとえば、回路設計がインジケータ球の逃がしを想定した回路設計されているが、Nortonでは設計から外れた配線設計がされていた、あるいは大きく考えて日本車の設計に合致させていた等、考えられます。メーカ確認していませんのであくまで私的な考察です。
したがって最終的には、答えになっていませんが同時点灯問題は装着してみないとわかない。問題が発せした場合は、対策は困難という結論です。
ただ、私としてはバルブ重量増の問題や、ハロゲン設計のレンズカットにLEDバルブ装着した場合のHi/Loラインの問題等を考慮すると、ハロゲンバルブ設計のヘッドライトにLEDバルブ装着はお薦めできないとの結論に至りました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
※本記事は個人による整備・検証記録であり、特定の製品やブランドの販売を目的とするものではありません。